『有頂天家族2』スペシャルイベント
『大有頂天祭'17』レポート
毛玉たちの物語はまだまだ終わらない
豪華出演陣が繰り広げた大有頂天祭!
2017年10月15日。日本工学院蒲田キャンパス内にある片柳アリーナにおいて、『大有頂天祭'17』が開催されました。当日はあいにくの空模様でしたが、12時の開場前から片柳アリーナには毛玉ファンたちが集結。中には「モフモフたぬきポンチョ」を着ている方や「モフモフぬいぐるみ」を抱いている方もいて、寒空の中、和やかな光景が見られました。
また同日には日本工学院リバーサイドパーキング内で、130種類以上のグッズがラインナップされた『大有頂天マーケット』が催され大盛況! 朝早くから並んでお目当てのグッズを購入するファンも多く、昼前には売り切れた商品もありました。
開演前には1000人を超すファンで1階のアリーナ席は満席。糺の森ならぬ、蒲田の森に集まった全国の毛玉ファンたちは、今か今かとうごうごしながら開演を心待ちにしている様子。開演5分前になるとイベント前の注意事項などを知らせる場内アナウンスが流れたのですが、そのアナウンスを下鴨矢四郎役の中原麻衣さんが矢四郎になりきって行なうサプライズが! この口上には拍手が沸き起こり、イベントに対する期待が一気に高まりました。
「大有頂天祭'17へ、ようこそ!!!」というbambooさんの元気な挨拶からオープニング主題歌を担当するmilktubのライブがスタート! 第二期オープニング主題歌の「成るがまま騒ぐまま」を力強くシャウトするbambooさんの主題歌に、会場は一気にヒートアップ。この日のために9kgダイエットをして臨んだというbambooさんから「毛玉ニストの皆さん、今日は何の日ですか!?」とコールがあり、会場から「大有頂天祭'17!!」と大きくレスポンス。続いて「素晴らしい1日にしましょう。面白くない世の中を面白くしていこうじゃありませんか!」という掛け声と共に、第一期オープニング主題歌の「有頂天人生」が演奏されると、歌に合わせて色とりどりのサイリウムが振られ、早くも会場は一体となっていました。
ライブが終わるとBGM(「天狗の喧嘩に狸が出る」)と共に、スクリーンに『有頂天家族2』の名シーンを集めた『大有頂天祭'17』のオープニングVTRが映し出され、今回のイベントの目玉となるオリジナルの朗読劇が始まりました。
朗読劇の脚本は、『有頂天家族2』のシリーズ構成を務めた檜垣亮さんが『竹取物語』をモチーフにして書き下ろした新作で、森見登美彦先生監修による完全オリジナルストーリー。タイトルは「“た”ぬき」に掛けて、竹取から“た”を抜いた「毛取物語」。TVアニメと同じようにまずは矢三郎のナレーションから物語は幕を開けました。
実は月の都の人間で、次の満月の夜に月へ帰らなければならないと気落ちしている弁天に、「結婚すれば月へ帰らずにすむのでは?」と提案する矢三郎。それを聞いて大いに憤慨する赤玉先生という、実に『有頂天家族』らしく「面白きことは良きことなり」な展開。そこから紆余曲折あり矢一郎、矢二郎、矢三郎、二代目、淀川教授の5人が、弁天の求婚者として赤玉先生の出す無茶な試練に挑むことに。そしてなぜか傘の上で茶碗を回す太神楽を披露する矢一郎や、相変わらず一触即発の弁天と二代目など、ファンにはニヤリとするシーンが散りばめられていました。
ステージ上では櫻井孝宏さん(下鴨矢三郎役)、諏訪部順一さん(下鴨矢一郎役)、吉野裕行さん(下鴨矢二郎役)、中原麻衣さん(下鴨矢四郎役)、能登麻美子さん(弁天役)、間島淳司さん(二代目役)、梅津秀行さん(赤玉先生役)、樋口武彦さん(淀川教授役)の8名が、それぞれキャラクターをイメージした浴衣を着て登場し、まるで1本のアニメ作品かのように朗読劇を熱演。金髪碧眼のゴウジャスな美女に化けた矢三郎を科を作って演じる櫻井さんや、慌てふためく矢二郎を演じる吉野さんなど、普段のアフレコ現場とも違う生の演技には、会場から大きな笑いや拍手が起こっていました。ちなみに櫻井さんはすべてのシーンで登場していたので、しゃべりっぱなし! このイベント限定で行なわれた朗読劇は、気がつけば約50分にも及ぶ大ボリュームの大作。終了時には会場から割れんばかりの拍手が贈られていました。
朗読劇の後は、MCの三崎智子さんの進行でキャスト陣、そしてスペシャルゲストの森見登美彦先生、吉原正行監督、堀川憲司プロデューサーが舞台に登場。トークショー「大毛玉談義 天狗も人もみんな集まれ」のコーナーに。
各人の挨拶のあと、まずはキャスト陣から朗読劇について……
「4ページくらいひとりでしゃべっているシーンもあって、2度ほど気を失いかけました(笑)。今まで朗読劇っぽいことをやったことはあったのですが、これだけのボリュームのものは初めて。ここまで来ると“劇”と言っていいんじゃないかなと。もう満腹なので、この後はサボっていこうかなと思っています(笑)」(櫻井さん)
「個人的には皆さんから求婚されてウハウハでした(笑)。弁天的には皆が慌てふためく様を面白く眺めている、高みの見物でしたね」(能登さん)
「先輩たちがアドリブを入れていたので自分も! と思ったのですが、キャラクター的に無理でした。一応考えてはいたんですけど……」(間島さん)
「やっぱり長男がアドリブを入れたら、次男もいかないとまずいなと(笑)」(吉野さん)
続く話題は【トークのお題その1 『有頂天家族』の裏話】。昼の部では吉原監督から、「原作の第二部を読んだ時、天満屋のイメージがなぜかペットボトルロケットで飛ぶエスパー伊藤さんと重なってしまい、そのまま久米田(康治/キャラクター原案)さんに発注したんです。その後森見先生にお会いした時、先生から『珍しく天満屋は容姿をちゃんと書きましたよ』と言われ、やばい…エスパー伊藤で発注してしまったって(笑)。それで急遽肉襦袢を着せることにしたんです」というエピソードが披露され、それを聞いた森見先生が「エスパー伊藤さんというのは今初めて聞きました(笑)。最初にキャラクター原案があがってきたときに、あれ、どうしてこういう風にしはったんだろうってよく分からなかったんです。でも監督もあまり細かいことは言われないですし、僕も。監督には監督の考えがあるんだろうと思ってあまり触れなかったんですが、そういうことだったんですね(笑)」と答える一幕も。
またその天満屋というキャラクターについてキャスト陣からは、「怖かったですね。この作品ならではのピンチが天満屋とのシーンだったので、弁天様とは違う緊張感がありました」(櫻井さん)という感想も聞くことができました。
一方夜の部では、森見先生から最終話のアフレコの時、吉原監督と一緒にキャスト陣に花束を渡すのが恥ずかしかったことや、赤玉先生が弁天と二代目に対してかけた「悔しかったら、強うなれ」というセリフの声が、弁天と二代目では違っていて妙に納得したといった、アニメ『有頂天家族2』制作にまつわる裏話を聞くことができました。
ちなみにそれに対して赤玉先生役の梅津さんから「そりゃ、女性にかける声と男にかける場合は変わります(笑)」という発言があり、これにはキャスト陣から「違いますよ梅津さん。そういうことじゃないです!」というツッコミが入っていました。
次に【第一期から第二期へ】というお題で、昼の部では堀川プロデューサーから、「森見先生のような人気作家の小説は、誰もがアニメ化したい、映像化したいと考えているので、まず第二部の映像化を許諾いただけるかどうかが最初のハードルでした。第一部が終わった時に先生から『非常によかったです』と言っていただいたし、僕らも第一期を作ったアドバンテージがあると思ったのですが、もしすでに別の会社さんで作ることが決まっていたら、あれは社交辞令だったんじゃないかと、すごいドキドキしていました。それこそ悔やむに悔やまれない。でも先生から、『やっていただけるのなら、あまりご無理なさらず』と言っていただけて本当に嬉しかったです」と、当時のエピソードが語られ、また続いて「第三期に向けても、まずは第二期を成功させなければというハードルもありました。現場的には第一期からのスタッフが愛情を持って作ってくれたので、あとは森見先生が第二期をどう評価していただけたか。これは原作の第三部があがって、アニメ化したいですとお願いした時に答えがでるかと思います(笑)」とコメント。
キャスト陣から「じゃあ、もしP.A.WORKSさん以外が作ることになったら、そういうことだったと……」(櫻井さん)。「キャストはどうなるんですか!? 世代交代とかいらないです」(諏訪部さん)「二代目の二代目って、もう訳が分からないじゃないですか(笑)」(間島さん)と盛り上がり、それに対して森見先生からは「第二期、大変満足しております」と、ひと安心な返答がありました。
夜の部では吉原監督が「第一期と比べて第二期では、天狗より狸たちが一歩前に出たという感じです。原作を読んでもそうでしたし、森見先生と話をした時も、狸たちのほうが大人だなという感じがしていました」と解説。
またキャスト陣からは、「第一期で兄弟のわだかまりみたいなものは雪解けしているので、より家族の絆、信頼感がすごく出ていたなと思いました。下鴨家の絆が深まっているなと」(諏訪部さん)。「新しいキャラクターが増え、物語もいろいろ激動があったのでそれぞれの雰囲気は少し変わったと思います。でも四兄弟、母、弁天、赤玉先生、淀川教授などの声を聞くと安心しますね。自分的には、アフレコ現場で挨拶をすると、毎回満面の笑みで『おはよう』と言ってくださる吉原監督の姿を見て、ああ、帰ってきたと思いました」(中原さん)。この中原さんのコメントには吉原監督は「ちょっと感動してしまった」と照れていました。
また淀川教授役の樋口さんについて吉原監督から「実は以前の作品(『万能野菜 ニンニンマン』)で、パパ(羽羽)役をお願いしたのですが、その時からとてもいいなと思っていて、淀川教授は絶対樋口さんにしようと思っていました」というエピソードが話され、樋口さんは「ありがとうございます。でも何も出てこないです(笑)」と返答されていました。また淀川教授について樋口さんは「淀川教授はとても純粋な人。教授だけは第一期から変わらず、狸愛が凄かったです。原作で『ポンポコ仮面が助けにきたよ』と出てくるシーンを読んだ時、まずその字面に衝撃を受けました。ここまでやるんだって。演じさせていただいていたので淀川教授のことを分かっているつもりでしたが、自分の想像を遥かに超えていました。森見先生すごいなと」。
そして話題は【いざ、第三期へ! 毛玉物語はまだまだ続く!? 】に。これはキャスト、スタッフならず、ファンも大いに気になるところ。まず昼の部では「第一期の放映が終わって皆さんで打ち上げをした時も、『第二部はいつになるんですか?』って言われたんです。もしかしてこれ、同じことになるんじゃないかなと思っていたら、案の定第二期の放送終了後の打ち上げで、まったく同じパターン『第三部はいつになるんですか?』って(笑)。今はまだ心の準備をしている段階。一応目指す先、最終的にこういうことが起こるんじゃないかなっていうのは、おぼろげながら見えていて、そこにどうやってたどり着くかは実際に書きながら調整していく感じです。第二部ではキャラクターが沢山増えたので……まあ僕が悪いんですけど(笑)、皆がどう動くかというのも書きながらですね。ただ、まさか天満屋さんとかが地獄に行ったっきり帰ってこないわけはあるまいとは思っています。また第二期を見て、弁天さんが可哀想だなとひしひしと感じました。第二部は弁天さんが一度いろいろなものを失うお話だったので、弁天さんがどう復活するかは大事かなと。今までは狸たちの争いに天狗がちょっかい出していく感じでしたが、第三部は天狗たちの争いに狸たちが絡んでいく。第三部は天狗たちのお話。天狗の代替わりのお話になるのではないかなと思っています」(森見先生)と、第三部の構成について非常に貴重なお話を聞くことができました。
また夜の部では「P.A.WORKSのオリジナル作品は、大体ひとつのテーマについて『この答えはどうなんだろう?』と作りながら探っていき、最終的にその答えにたどり着くという作り方をしています。実は作品がスタートする時点ではその答えは見えていないんです。これは森見先生も同じなのではと思っていて、第三部で答え、ご自分が思っているテーマの答えがまだ見えないからなかなか進まないと思うんです。もちろん『有頂天家族』という物語に何を見ているか、どんなテーマを見出すかは人それぞれだと思います。僕の中では2つのテーマがあって、ひとつは“父と子の関係”。男の子が自分と父との関係に真正面から対峙して、父からどういう影響を受けて、自分はどういう大人になっていくんだろうと。真面目に考えるとこっ恥ずかしいところもあるのですが、森見先生が男の子として大人になる過程でどう乗り越えてきたか。ご自身の人生を見つめ直して、自分と父はこういう関係だったんだ、というものの答えを出してくれるんじゃないかなと思っています。もうひとつは、森見先生が小説を書く、人生の中でモノを作り続けることがどういうことか。僕は矢三郎が狸として面白く化けるということが、先生の小説を書くことのメタファーだと思っているんです。矢三郎が弁天との関係を楽しみながら、それこそ命がけで危険に飛び込んでいく。今回も『いつでも波風立てるよ、ずんずん立てるよ』と書かれていますが、平穏な人生よりも自ら危険に飛び込んで行く。また矢三郎は海星の前では化けられないんだけども、それでも海星と一緒にいることを選んだ。それを森見先生に置き換えてみると、ひとつ枷を背負っても書き続けることを選択したということになるのかなと。森見先生ご自身が意識されているかは分からないですが、第三部でどんな答えに辿り着くのか楽しみです。それこそまったく僕らが想像しない斜め上を行くような答え、『さすが森見先生だ! 僕らにこんな希望を見せてくれたか、ありがとう!!』という第三部になると思っています。もちろん簡単なことではないですが、ぜひそのふたつの答えを見せてほしいと願って、じっと待っています」(堀川さん)と、第三部に対するかなり熱い想いのこもったコメントが聞かれました。
森見先生からは「愛が重い……」とひと言。
この絶妙な二人のやり取りに、会場はもちろんキャスト陣からも大きな笑いと拍手が起こっていました。
ほかにも弁天と二代目の戦いのシーンでのお互いに力が入ったという能登さん、間島さんのエピソードや、実は最終話に矢四郎の出番がなく、中原さんはアフレコ終了後に森見先生、吉原監督から花を手渡されていないこと、ベテランバスガイドのようなマイクの持ち方を突っ込まれる吉野さんや、暴走する梅津さんを止める櫻井さんなど、ここには書ききれないほどの面白トークが繰り広げられました。
その後は「毛玉プラスワン」と題し、森見先生、吉原監督、堀川プロデューサーだけのトークに。昼の部ではまずそれぞれが好きなシーン、話数についての話題となり、「下鴨家のお母さんが炬燵から顔を覗かせる場面や弁天が矢三郎を持って地獄から帰るところなど、好きなシーンはいろいろあります。中でも特に感動したのが第八話。居酒屋で矢一郎と矢三郎が矢二郎について話しているシーンですね。矢二郎が出ていくことを許したい矢一郎とそれを嫌がる矢三郎のやり取り。文章は僕が書いたのですが、それに上乗せして役者の方の感情がとても入っていた。家で放送を見ていて感動しました」(森見先生)。
また堀川さんは好きな話数として第四話を挙げ「前半のドタバタと後半の空気感がとても良かった。情緒のバランスが『有頂天家族』らしくて、綺麗に演出として決まっていたと思います」とコメントしていました。
吉原監督からは「第二期は山の上の舞台が多く、ロケハンのほとんどが山登りで大変でした」というエピソードが。「新しい舞台を探っていくと、どんどん街から離れていってしまって(笑)。でも僕も真夏に汗だくになって登ったので条件は一緒です(笑)」(森見先生)と返していました。
夜の部では、「狸谷山不動のお祖母ちゃんは、僕が唯一原作通りにしてもらえると嬉しいですと、吉原監督にお願いしたキャラクターなんです。普段はあまりそういうお願いをしないのですが、お祖母ちゃんはできるだけ、白いふわふわを実現してもらえれば。そうしたらものすごい完成度でびっくりしました」(森見先生)。「天満屋はエスパー伊藤さんだし、金閣銀閣に至っては、ペ・ヨンジュン風やサモ・ハン・キンポー風と久米田さんにオーダーしていたので、お祖母ちゃんは気合を入れようと(笑)。キャストも小山茉美さんでしたしね。ただ作画では限界があると思ったので、最初から3Dで作ろうと決めていました」(吉原監督)。
また堀川さんから地獄の鬼について聞かれると、
「あれだけの種類がいることにビックリしました。年齢もバラバラでそれぞれが違う暮らしをしていそうじゃないですか。中でも鬼のお姉さんは結構好きなんです。自分で書いているときから、よさそうな鬼やなと、ちょっと気に入っていたんです。それを再現していただけたので嬉しかったですね。でもなぜ関西弁だったんですか?」(森見先生)。「原作通りですよ? 違いましたっけ?」(吉原監督)と誤魔化す返答が。「騙されないですよ(笑)。実はデビューした時から基本的に関西弁は書かないと決めているんです。関西弁と言っても京都や奈良など、場所が変わるとニュアンスも少しずつ変わってくる。やり始めると大変ですからね。小説は作り事ということで、関西弁は使わないことにしています」(森見先生)と、森見作品のこだわりエピソードも聞くことができました。ちなみになぜ鬼が関西弁をしゃべっているの答えは、聞けずじまいでした。
たっぷりとトークの後は、エンディング主題歌を担当するfhánaのライブに。まずは第一期エンディング主題歌「ケセラセラ」を披露。歌に合わせて会場では青いサイリウムが振られ、それまで賑やかだったステージが一変。アッという間に客席はfhánaが織り成す世界へと惹き込まれていました。続けて第二期エンディング主題歌「ムーンリバー」。届かない彼方の人への想いを歌った曲であり、弁天をイメージしたという2曲は、イベント全体のエンディングに相応しいライブとなりました。
ライブ終了後、milktubも登壇してアーティストトークに。それぞれ『有頂天家族』の曲作りについて、「『有頂天家族』だけではないのですが、作品の世界観は意識しました。『ケセラセラ』はデビュー曲でもあったので、この曲が本当に採用されるのか、というドキドキはすごくありましたね。実際にTVもそうなのですが、京都南座でのイベント(2013年6月)で初めて曲が流れた時はとても感動しました」(fhána/佐藤さん)
「オープニングは矢三郎のスタンスを大事にしました。物語の中心人物はやはり矢三郎なので、彼から見た物語をどう歌詞に落とし込むか。彼の持っている主人公としてのスタンスを表現しました。また2曲とも“面白くない世の中面白くすればいいじゃん”という気持ちを込めていますが、これは自分の中に元々持っていたもので、曲ができるまでは早かったです」(milktub /bambooさん)
またライブの感想については「この晴れの舞台で演奏できてとっても嬉しかったです。また『有頂天家族』のイベントでは、『ムーンリバー』は初披露となりました。第一期、第二期共にエンディングは吉原監督が担当されているのですが、弁天様の姿を描いているんですよね。実は『ケセラセラ』も『ムーンリバー』も弁天様への思いを歌っている曲で、私自身も気持ちが入っていました。それこそ後ろで流れていた映像で弁天様の姿を見ると、ウルッときてしまうくらい。今日『有頂天家族』が大好きな皆さんと一緒に、この時間を共有できたことが本当にとても嬉しかったです」(fhána/towanaさん)。
「fhánaとはレーベルメイトであり、僕らも『有頂天家族』が初のTVアニメ主題歌でした。お互いこの作品に対する思いはひとしおだと思います。この場でオープニング主題歌の2曲を歌えたことは本当に嬉しかったです。あと、このイベントの前にクラウドファンディングで、スタッフ、キャストさんにオリジナルTシャツを差し入れるということを企画したのですが、本日、皆さんに差し入れることができました。協力していただいた皆さん、本当にありがとうございました」(bambooさん)と会場はもちろん『有頂天家族』のファンに向けてメッセージを送っていました。
その後ステージには、キャスト、スタッフ、アーティストが勢揃いとなり、それぞれから挨拶がありました。
「先ほど言った通り、この場で歌えるということが僕たちにとって非常に重要な意味がありました。このあと皆さん言われると思いますが、ぜひ第三期を目指して頑張りたいと思います。万が一関わることができなくても、ここまできたら第三期の映像を見てみたいですし、その時まで歌をやっているように頑張ります!」(bambooさん)
「元々僕たちは原作『有頂天家族』のファンでした。そのアニメのエンディング主題歌でデビューさせていただき、また第二期もエンディング主題歌を担当させていただけたことは、本当に嬉しく思っています。そしてこのイベントでその2曲を披露できたことに対して、今まで音楽を続けてきてよかったなと感じています。第三期があればぜひ皆でまたやりたいと思っていますので、よろしくお願い致します」(佐藤さん)
「本当に大勢のファンの方たちに集まっていただいてありがたいなと思っております。私も大好きな役を演じさせていただく機会をいただけて本当に感謝しておりますし、改めてこの素敵な作品に参加させていただいている喜びを感じました。本当に楽しい時間でした」(樋口さん)
「舞台上で朗読劇というのは緊張しましたが、精一杯演じさせていただきました。皆様がお買い求めいただいたグッズと同様に、これからも『有頂天家族』を可愛がってやってください」(梅津さん)
「本当に楽しかったです。ライブを見たり、朗読劇を演じさせていただいたりして感じたのですが、今日のイベントはTVアニメの構成っぽい作りだなって思いました。オープニングを聴いて、朗読劇がAパートで、トークがBパート。そしてエンディングがあってと。ということは、今こうして挨拶しているのは何だろうと思いまして…きっと次回予告なのかなと(笑)。なので次回があることを願っております」(間島さん)
「アッと言う間でしたが、愛情いっぱいの時間だったなと思いました。オリジナルの朗読劇は、普段はなかなか見ることができないキャラクターの掛け合いだったり、表情だったりをお届けできたのではと思います。『有頂天家族』は本当に特別な世界観、唯一無二の空気感を持つ作品だなと改めて感じました。これからも末永くよろしくお願い致します」(能登さん)
「今日は会場に沢山の狸とカエル、ポンチョやヌイグルミを持ったファンの方たちの姿が見られて嬉しかったです。普段のアフレコとは違う、私たちがセリフのスピードや間を決めてお芝居をする朗読劇は難しくもありましたが、とても楽しかったです。第三期は最終回に出ていられるといいなと思います(笑)」(中原さん)
「残念ながら本日会場に足を運べなかった方たちもいると思いますが、これだけ作品を愛してくださっている方たちがいるんだなと思うと嬉しく思います。『有頂天家族2』のTVアニメは一度終わりを迎えましたが、まあ何かあったら皆さん京都行きましょう!」(吉野さん)
「『有頂天家族』は上質な日本料理のようであり、しみじみ美味しい、そんな作品だと個人的には思っております。下鴨家の一員でいられる時間はとても心が温かくなる、優しい気持ちになれるんです。この作品に関わっていられることは自分にとっても幸せな時間です。願わくは第三期、また矢一郎と歩める時間があったらいいなと。長男坊は三杯目のお代わりはそっと出しますので、またぜひ『有頂天家族』でお会いできることを楽しみにしております」(諏訪部さん)
「こうして沢山の方が足を運んでいただけたことが嬉しいですし、森見先生、吉原監督、堀川プロデューサーの深いお話が聞けたこと話を聞けたのも楽しかったです。私事ですが、両親が自分の出ている作品を見てくれることがすごい嬉しいんです。お袋が『私、あの狸のやつ好き』と言うと、親父が『有頂天家族な』と返す。そのやり取りを見るだけで幸せな気分になれるんです。本当に素敵な作品に出られて本当に光栄です」(櫻井さん)
「森見先生に愛が重いと言われてちょっと反省をしております。いっそスタッフの愛に溺れてしまうがいい! じゃなくて、溺れる前に早く岸にたどり着いていただきたいなと(笑)。それを丁重にお願いしまして、締めとさせていただきます。ありがとうございました」(堀川さん)
「役者の皆さん、アーティストの皆さん今日はお疲れ様でした。面白かったです。僕が一番楽しんでいました(笑)。この会場、そして『有頂天家族』を応援してくださっているファンの皆さんがいること、本当にありがたく思っています。これからもよろしくお願い致します」(吉原監督)
「もう皆さんもよくお分かりのように、この大変な愛をこれから私ひとりで背負って、長い道のりを行かねばならぬということなんです(笑)。でも第一部も第二部もその愛情で支えられて実現したものなので、大変ありがたい。第三部が完成するまで少し時間は掛かると思うんですが、その間にもう一度アニメを観直し、原作を読み直していただいて、気長に待っていただければと思います」(森見先生)
その後櫻井さんから、『有頂天家族2』が2018年1月9日(火)24時00分から「BSフジ」にて全国放送が開始される事が発表され、「皆さんの重い愛をどんどん重くしましょう。きっとその愛は届くと思います。それじゃいつものいきますよ! 分かってますね!? 練習はしませんからね……
「面白きことは~」「良きことなり!」
と、ステージと会場から大きなコール&レスポンスで、約二時間の充実したイベントは終了となりました。